夏コミ:ライトノベル積読会さんの『適当ライトノベル読本 vol.7』に寄稿させていただきました!

直前になってしまいましたが、告知です。 コミックマーケット78の二日目(8/14:東D-17a)に出店する、ライトノベル積読会さんの新刊、「適当ライトノベル読本 Vol.7 特集:涼宮ハルヒの憂鬱」に寄稿させていただきました。詳しくは以下のid:ni-toさんの告知記事…

劇場版・涼宮ハルヒの消失の感想ととあるシーンの演出について。

面白かった。京アニらしい丁寧な作りになっていて、期待を裏切られなかったと思う。全体的に、キョンの描き方が非常にうまいな、と感じた。特によかったのはキョンが谷口からハルヒの情報を聞きすところで、全体的に漂っていた圧迫感と緊迫感が開放されてと…

2009年上半期ラノサイ杯に投票します

というわけで、大分ぎりぎりになってしまいましたが「2009年上半期ライトノベルサイト杯」に投票します。 まずは新規から 新規部門 『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)作者: 田尾典丈,有河サトル出版社/メーカ…

『いつも心に剣を』 著:十文字青

『いつも心に剣を』を読んでみて、ANGEL+DIVEシリーズが面白くなってきたのはやっぱり十文字青の文章が好きになってきたから、というのが大きいな、と改めて思った。十文字青の文章には独特のリズムがあるし、癖がある。特に、キャラクターが何か考えたり行…

2009春の文学フリマとソフラマ迎撃オフに行ってきました!

昨日は文学フリマお疲れ様でした! 人とたくさん会えたり本も予想以上に売れたりオフ会を開いてもらったりで最高に充実した日でした。蒲田も広かったけれどそれに負けないくらい人も多かった。そして暑かった。 自分のブースにいることがやっぱり多かったの…

文フリ出ます

五月十日に行われる、2009年春の文学フリマに「ソフラマ」で出ます。ブース番号はE-27です。 今回は新刊に初のオフセット本、『ソフラマ!03号』を持っていきます。目次と表紙はソフラマ公式ブログに載せているのでそちらをご覧ください。値段は500円です。…

『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』(著:田尾典丈)

とても、面白かった。主人公にかなり感情移入してしまって、色々身悶えながら一気に読み終えてしまった。『ラノベ部』にしてもそうだったけれど、主人公がプレイヤー、もしくは読者であるというのは反則的だと思う。だって、それだけで楽しめてしまうから。 …

2008下半期ラノサイ杯投票

というわけで、2008年下半期ライトノベルサイト杯に投票します。こういうとき読書メーターがあると便利。 新規部門 ファミリーポートレイト作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/21メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (1…

『電波女と青春男』著:入間人間

良い青春小説でした。これまでの入間作品と比べて表面上黒かったり痛かったりするところがあんまり見えて来ない。予想外に読後感はさわやか。リュウシさんかわいい。ただ、見えてくるテーマの一部は結構痛い。なし崩し的に「電波な女の子」と関ってしまう話…

明けましておめでとうございます

遅ばせながら。 2008年は個人的には本当にいろいろなことがあってとても充実した年でした。 特に、サークル活動ではライトノベル同人誌『ソフラマ!』を発行して文学フリマで初の即売会に参加したり、筑波批評社の方では間接的にゼロアカ道場に参加したりし…

ファミリー・ポートレイト 著:桜庭一樹

直木賞受賞後初の書き下ろし長編小説。「家族」と、そして「小説家」の物語。 ひょっとすると、後々、「家族三部作」みたいな形で呼ばれるのかもしれない、なんて妄想をしてみたくなる。『赤朽葉家の伝説』で桜庭一樹の作中にくっきりと現れた「家族」という…

デカルトの密室 著:瀬名秀明

最近、認知科学がマイブームな感じになっていることもあり、いいタイミングで読めた小説だと思う。 この小説は、ロボットについての話であり、そして同時に人間についての話でもある。ロボットが自我をもつとはどういうことか、ということを考え始めると必然…

COMITIAに参加します!

さて、直前となってしまいましたが、所属サークルあまるふぉすが、11月16日に開催されるCOMITIAに参加することをお知らせします。スペースNoは「ま03a」です。こちらの公式ブログでも告知しておりますが、今回、『ソフラマ!』の最新号(02号)を新刊として…

境界線上のホライゾン1上下 著:川上稔

日本と世界の国々がリンクした上で歴史をやり直している世界で、終末から世界を救うため、そして一人の少女を助けるためにみんなが頑張る話。 相変わらず、凄い。下巻は700P以上あったのだけれど一日で読めてしまった。描写の迫力、台詞回しの上手さなどは前…

AURA覚書

今日『AURA 魔竜院光牙最後の闘い』について話すので自分の中の整理のために。・自分としてはとりあえず物語の着地点は二人が部屋でキスするところだという認識。最後の実は皆妄想戦士でした、というのはちょっと遊びが入った気がする。いや、大好きだけれど…

『あたし彼女』について

第三回ケータイ小説大賞大賞受賞作『あたし彼女』(著:kiki,リンク:http://nkst.jp/vote2/novel.php?auther=20080001)を読んだ。あわせて、『ケータイ小説的。』(著:速水健朗)を読んだのだが、そこで書かれているこれまでのケータイ小説と『わたし彼女…

文学少女と神に臨む作家(ロマンシエ)(下) 著:野村美月

小説を書けなくなったベストセラー作家の主人公と、食べてしまうくらい小説が大好きな文学少女の二人が織り成す物語。そんな『文学少女』シリーズの最終巻。最初から最後まで十二分に楽しませてくれたいい作品だった。これまで、文学作品をモチーフにして物…

生徒会の一存――碧陽学園生徒会議事録1――著:葵せきな

たまには、ギャグで笑えるようなものが読みたいなと思い、話題にもなっているので読んでみた作品。 主人公、杉崎鍵は美少女だらけの生徒会の副会長で黒一点。ギャルゲーエロゲー大好きで自分はこの生徒会でハーレムを作るんだといって憚らないような破天荒な…

批評という方法について

批評という方法、について自分の思うところを述べたいと思います。 僕の場合、批評というのは人に届けるための言葉であり、価値の幅を広げてくれるものだと考えています。そして何より自分を納得させるための言葉でもあります。 このブログを見ても分かると…

2008年上半期ライトノベルサイト杯

というわけで参加してみます。 まず、新規作品から。まず、第一に挙げたいのは「君のための物語」落ち着いていて、それでいてユニークな語り口で物語に引き込まれます。タイトルに惹かれる人は是非読んでみてください。君のための物語 (電撃文庫)作者: 水鏡…

銀色ふわり(著:有沢まみず)

世界中のの生物から知覚されず、また自分も生物を知覚出来ない。それは完全に孤独だということ。そして、その孤独な世界に生きる「黄昏の子供たち」女の子と、その子を見ることが出来る男の子のボーイミーツガール。これはそんな孤独と絶望と優しさの物語だ。

青年のための読書クラブ(著:桜庭一樹)

男子禁制の女学院。生徒会、演劇部がその光だとするならば、読書クラブは影、女学院のアウトローたちの集い場である。「哲学者たり、理学者たり、詩人、剣客、音楽家たる」彼女たちは皆「ぼく」と自らを語り(重要)*1、箱庭でさえずる少女たちを遠めに見な…

ソフィーの世界(ヨースタイン・ゴルデル)

この小説は、主人公ソフィーがある日「あなたはだれ?」「世界はどこから来た?」と言う手紙を受け取るところから話が始まる(それとともにヒルデという謎の女の子に対する誕生日メッセージも受け取る)。ソフィーがその問題に頭を悩ませていると、その次の…

スプライトシュピーゲル、オイレンシュピーゲル(冲方 丁)

これは、これから起きるかもしれない、いや、もしかするともう既に起きているかもしれない世界の戦争と戦う少女達の物語である。文章は読みにくい。一文あたりに大量の情報が圧縮されているため、うっかり読み流すと今何がどうなっているのかがわからなくな…

文学フリマ終わりました。

2008春の文学フリマ、無事終了しました。参加者、運営者の皆さん、お疲れ様でした。 冊子を買っていただいた方に最大限の感謝を。本当に嬉しかったです。僕としては初めての同人誌即売会だったのですが、とても楽しかったです。なにぶん人見知りなので他の方…

文学フリマ2008に参加します。

いきなりですが、明後日、5/11文学フリマ2008に参加します。ブースはB-40です。(HPはこちら文学フリマ | 小説・評論・詩歌 etc.の同人/商業作品展示即売イベント) 『ソフラマ!』というライトノベルについての雑誌を出します。創刊号、第一号ともに100ペー…

「ライトノベルを読むメリット」についての回答について

最近、こんな質問があったらしい ライトノベル愛読者が理解できない -近年、ライトノベルが市民権を得て- 文学・小説 | 教えて!goo さて、この質問が確かに挑発的に見えるのは確かだし、質問者に悪意があったのかどうかも、僕には判断できない。まあ、ただ、…

別冊図書館戦争1

この本の正しい読み方はきっと終始ニヤニヤして読むことなんだ(=人前では読めない)。 今日からアニメ化した「図書館戦争」のスピンアウト作品。帯に「恋愛成分が苦手な方はご健康のために購入をお控えください」と書いてある時点でもうニヤニヤ。読み始め…

リチャード・ローティ「偶然性・アイロニー・連帯」

サークルでこの本について読書会をしていたことは前にも書いたと思う。 とりあえず、読書会が終わって、自分の中でおぼろげながらもこの本で言われていることに対しての意見がまとまってきたのでちょっと書いてみる。多分、間違っているところや勘違いしてい…

『君のための物語』水鏡希人

第十四回電撃大賞金賞受賞作の、奇妙で親愛なる彼をめぐる、奇妙で不思議な物語。 表題といい、表紙といい、見たときからこれは自分の好みどんぴしゃだなと思っていたのだけれど、その期待はやっぱり裏切られなかった。読み終わった後に幸福感に包まれた本は…