2008年上半期ライトノベルサイト杯

というわけで参加してみます。
まず、新規作品から。
まず、第一に挙げたいのは「君のための物語」落ち着いていて、それでいてユニークな語り口で物語に引き込まれます。タイトルに惹かれる人は是非読んでみてください。

君のための物語 (電撃文庫)

君のための物語 (電撃文庫)

【08上期ラノベ投票/新規/9784840241663】
また、「君のための物語」と同じ月に発売された「MAMA」も外せません。
「母として成長していく」という姿を見せつけられました。やはり彼女の作品にはある種の凄みがあります。
MAMA (電撃文庫)

MAMA (電撃文庫)

【08上期ラノベ投票/新規/9784840241595】
次に、散々話題になりましたがとある飛空士の追憶
王道的な展開を見事に描ききった良作です。正直、ガガガでこんなに真っ直ぐな作品が出るとは思わなかっt(ゲフンゲフン
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

【08上期ラノベ投票/新規/9784094510522】
あとは新レーベル一迅社文庫から、「ある夏の日のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと」零と羊飼いの2作品を上げたいと思います。
「ある夏の日の〜」は、美少女ゲームライターである朱門優氏の初小説作品ですが、彼の作る物語の仕掛けは小説でも如何なく発揮されていました。あまりにゲームぽい文体のため、ちょっと読むのには戸惑いましたが、それを逆手に取ったともいえるようなラストの展開には、わかってはいてもやはり驚きと感動を禁じ得ませんでした。【08上期ラノベ投票/新規/9784758040037】
零と羊飼い」のほうも、朱門氏と同じゲームライター出身の作家さんですが、こちらも朱門氏とは違った意味での物語の仕掛けに驚かされました。なんというか、「メタ」を「ベタ」に書いた作品、と評するのが一番適切な気がします。「ゲーム的リアリズム」と言う単語に反応してしまう人は是非読んでみるといいと思います。
零と羊飼い (一迅社文庫)

零と羊飼い (一迅社文庫)

【08上期ラノベ投票/新規/9784758040013】
新規部門はどちらかというとあまりひねくれた作品を読まなかった気がします。どうやら素直に感動できる話に飢えていたようです。

次に、既存作品部門。
なんといっても両方とも第四巻が発売された、スプライトシュピーゲルオイレンシュピーゲルの二作が強烈でした。
これまでリアリティ溢れる戦争を描いてきたこのシリーズですが、ここに来て冲方丁氏の本領発揮といったところ。作中何度も震え、泣きそうになりながら読んでいました。特にスプライトのほうのTRPGのシーンは必読です。

【08上期ラノベ投票/既存/9784829132814】
【08上期ラノベ投票/既存/9784044729080】
さて、この二作品が強烈過ぎて正直これだけでもいいんじゃないかと個人的には思っているぐらいなのですが、あと三作を挙げるとすれば、人類は衰退しました3」「輪環の魔術師2」文学少女と神に望む作家」です。
人類は衰退しました」は3作目にしてまた手法をガラッと変えたロストテクノロジー探索ものでしたが、いつものロミオ氏らしい毒と皮肉も相変わらずでついついにやりとしてしまいます。きっと何でも書けるんだろうなぁ、この人。
輪環の魔導師2」は個人的に最も安心して読める作家である渡瀬氏の新シリーズ二作目です。キャラクターのつくりやストーリーの持っていき方にまったく隙も違和感も無く楽しめます。
「"文学少女"と神に望む作家」はいよいよクライマックス直前ですね。此処にきて物語もマイナス方向の盛り上がりが最高潮に達しました。いい加減助けて。
人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

輪環の魔導師 (2) 旅の終わりの森 (電撃文庫 わ 4-26)

輪環の魔導師 (2) 旅の終わりの森 (電撃文庫 わ 4-26)


【08上期ラノベ投票/既存/9784094510614】
【08上期ラノベ投票/既存/9784840241915】
【08上期ラノベ投票/既存/9784757741737】

以上です。とりあえず自分がこれまで読んできた本を確認できただけでも良かったかな。